2019年5月25日、2018年MLBドラフト1巡目指名を受けたカータースチュワート投手(19)が福岡ソフトバンクホークスと契約合意したことが発表されました。
筆者は、MLBトップ有望株の選手がアメリカではなく日本球界でプレーするとは夢にも思いませんでしたので大変驚きました。
しかし、この異例の出来事にはどのような背景があるのでしょうか。
カータースチュワート投手がなぜ日本でプレーすることを決めたのか、また彼の投手としての凄さに迫ってみましたのでシェアしていきます。
カータースチュワートはなぜ日本に来た?
カータースチュワートはなぜ日本に来たのか?それは経緯を知ることで見えてきます。
2018年のMLBドラフトでアトランタ・ブレーブスから1巡目に指名されたカータースチュワート投手ですが、身体検査で右手首に異常が見つかり球団側の提示した契約金額とスチュワート側の要求とが折り合わず契約期限に合意に至りませんでした。
そのため、2019年のドラフトでの選考対象となるために東フロリダ州立短大に入学、NJCAAに所属するEFSCタイタンズでプレーし、今年6月3日からのドラフトでも1~2巡目で再び指名を受けることが確実視されていました。
ところが、代理人スコット・ボラス氏を介し推定6年700万ドル(約7億7000万円)の契約で契約満了後の25歳でメジャー入りさせるシナリオで、ファーム施設など環境が充実している日本プロ野球ソフトバンクでのプレーを決断しました。
ソフトバンクへの入団会見でスチュワート本人もその理由を「日本の野球の雰囲気、施設や環境、レベルの高さ」と説明しています。
— Freund Hein (@taijuhajime) June 10, 2019
今回の契約で日米間で定めるルール上の問題はなく、米球団のあるスカウトは「今後の両国のアマチュア選手の奪い合い」について懸念する声も上がっていますが、
日本の球団関係者は「日本のプロを経ずに直接米国へ行って成功したのは田澤投手くらい。若いうちは環境が整った日本で経験する方がいい。奪い合いはそれほど心配していない」と話しています。
まだ19歳のスチュワート投手ですので、米国でも最低でも3年はバスでの長時間移動や施設環境の過酷なマイナーでのプレーが見込まれます。
ソフトバンクの3軍制や整った施設とともに、双方が納得のいく契約合意が今回の異例の来日決定となったと言えるでしょう。
カータースチュワートの凄さとは?
ここでは彼の“逸材ぶり”を見てみたいと思います。
2017年ジュニアとして、11勝2敗、防御率0.81、104奪三振を残し、夏の間は米高校野球のビッグイベントの一つ『パーフェクトゲーム/オールアメリカンクラシック』に参加。
※『パーフェクトゲーム/オールアメリカンクラシック』とは、選ばれた高校生だけが参加できる「ショーケース」と呼ばれるイベントの一つで、各地で開催されます。
そこにはプロのスカウトや大学のリクルーターがこぞって足を運び、最高峰の「エリアコード・ゲーム」には例年300人ほどのスカウトらが訪れ、トライアウト制で行われる試合の中で米高校球児の技量を見ます。
2018年シニアとして6勝2敗、防御率0.91、128奪三振を記録し、フロリダ州のGatorade Baseball of the Yearに選ばれました。
スチュワートの投手としての魅力は、なんといっても身長198㎝から投げ下ろす最速98マイル(約158km/h)の剛速球と140km/h前後の縦割れカーブです。
そのカーブは、例えば、同じ「ドラ1」エリートでサイヤング賞も受賞したポーセロ、バーランダーといったメジャートップ投手のものと比べても回転数が200回転以上多い3000回転超あるとされています。
カータースチュワートのネットでの評価
といった激励のコメントや、
等、メジャー入りするまでのフィールドをどこにするかについての意見
まとめ
いかがでしたでしょうか?
カータースチュワート投手は“金のたまご”と呼ばれる逸材であることは間違いありません。
しかし、どんなに鳴り物入りで評価が高くても、実際には芽が出ないこともあるのがプロの世界です。
また、日米間の野球文化の違いや契約のあり方など様々な面で議論がまだ続きそうな今回の大型契約です。
日本人としてはスチュワート投手がソフトバンクでたくさんの事を吸収し、ファンを驚かせるプレーをして、将来どこでプレーしても“一流”と言われるような選手になって羽ばたいて欲しいです。
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