メジャーリーグ(MLB)への移籍を表明した西武ライオンズ・菊池雄星投手の契約交渉が12月以降本格化します。複数球団が獲得に乗り出すとみられますが、ファンの間では「(元メジャーリーガー)井川慶の二の舞にならないか」と心配の声が出ています。なぜ菊池雄星投手は井川慶さんと比較されるのでしょうか。その理由にはNPBやMLBでの成績が関係しているようです。
菊池雄星が井川慶と比較される理由
岩手の花巻東高から西武入りして8年目の今オフ、菊池雄星投手はポスティングシステムを利用してのMLB挑戦を表明しました。昨年MLBに移籍した高校の後輩・大谷翔平選手と同じ道です。MLBでは即戦力の左投手として菊池雄星投手に期待が集まっており、パドレス、ブルージェイズ、マリナーズなどが獲得に前向きとされます。
西武ではエース級の活躍で今季優勝に貢献した菊池投手。ファンからはかつて阪神のエースからヤンキースに移籍した左腕・井川慶さんと「道のりが似ている」と比較する声が上がっています。確かに同じ左投手同士でもあり、NPBでの歩みや成績を比較すると共通点が多いようです。
菊池雄星投手は18歳で西武入りし16年から3年連続2桁勝利。17年には最多勝、最優秀防御率などのタイトルを獲得。プロ通算73勝、防御率2.77の好成績を収め、27歳で海を渡ります。一方井川慶さんも水戸商高から18歳で阪神入り。5年連続2桁勝利し、2003年には20勝を挙げリーグ優勝に貢献するとともに投手タイトルを総なめ。8年通算86勝を挙げた後、ポスティングでヤンキースへ入団しました。
菊池投手は高卒でメジャー挑戦しようとして断念しましたが、井川さんもプロ入り後メジャー挑戦を希望しながら、当初は球団から拒否されるといった経緯も似ています。そして、菊池投手のファンが最も心配しているのは「メジャー入りした後の経過まで井川慶と似てしまうのでは」という点にあるようです。
井川のメジャー成績を振り返る
井川慶さんは2006年、ヤンキースと5年2000万ドル(約23億円)+出来高という大型契約を締結。先発の4番手ローテーション左腕として期待されましたが、開幕から成績不振でマイナー降格を繰り返します。2年目もメジャーには定着できず、結局メジャーで登板したのは07、08年の2年間のみ。その後3年間マイナー暮らしをした後、オリックスに移籍し、夢破れたまま日本に復帰することになりました。
結局井川慶さんのメジャーでの通算成績は、16登板(うち先発13試合)で2勝4敗、防御率6.66という散々な結果。キャッシュマンGMは「井川の獲得は失敗だった」とコメントし、NY地元紙の「過去10年のNYのプロスポーツ選手ワースト10」で1位に選ばれるほどでした。
井川慶さんがメジャーで活躍できなかった理由は制球力の悪さにあったとされます。一方菊池投手も近年は改善したものの数年前にリーグ最多与四球を記録するなど、同じ課題があるといわれます。MLBでは井川さん同様3、4番手のローテーション左腕として期待されている菊池雄星投手。このように「あまりにも共通点が多い」ことから、ファンは二人を比較して「まさか菊池もメジャーで井川のように失敗しないだろうか…」と不安視しているわけです。
菊池と井川に関するネットの反応
出典:twitter
まとめ
ヤンキースは先日、今季11勝を挙げノーヒットノーランも達成した左腕パクストン投手をマリナーズからトレードで獲得しました。先発ローテはこれで田中、セベリーノ、サバシア、パクストンの4投手で揃ったわけです。ヤンキースは柱の先発投手をもう1人FAなどで獲得する意向といわれますが、辛口のファンからは「井川で懲りているから、菊池雄星には二の足を踏むんじゃないか」とのささやきも…。果たして結果はどうなるでしょうか。
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