正月はカレーを作り置きして楽しよう、冬なら何日置いても大丈夫だろうなんて思っていませんか?
ついついやりがちなカレーの作り置きの冬の常温放置。
油断禁物の理由をシェアします。
カレーの作り置きは冬は何日くらいまで大丈夫?
大人から子供まで日本人が大好きなカレーは夏の暑いときはもちろんですが、冬でもおせちに飽いた正月に、無性に食べたくなります。
冬に、前日の夕食の残りのカレーを、室温で保存して、朝食で温めて、食べたところ、発症してしまった人もいます。
症状は、腹痛、水状の下痢、微熱、体のだるさでダウンしてしまったひとがいます。
翌朝まで、ベッドとトイレの往復というつらい経験をしたそうです。
内閣府食品安全委員会の去年2017年の話ですが、東京都では世田谷区で、ウエルシュ菌に汚染されたカレーにより、園児、教職員76名が食中毒(2017年3月17日)。
滋賀県では守山市内の弁当調製施設の給食弁当とカレー供されました。
77名の食中毒患者に発展(3月21日)と大量に作ったカレーによる中毒が報告されています。
このように「前日夕食」を一晩置いて、朝食で食べただけで食中毒になった」人がいるわけです。
たった12時間くらいと見ていいでしょう。
もちろん毎回12時間でなるというわけではありませんが、条件によっては12時間でも菌が一定以上増えてそうなる可能性があるということを
ここでは理解していただければと思います。
何時間放置して大丈夫か?
という発想よりも、作ったらどう保存するか?という発想でいきましょう。
冬も油断禁物の理由
なぜ、冬であっても、作り置きカレーが特に食中毒に危険と言われるのでしょうか?
それは、ウェルシュ菌の増殖が保存されたカレーに最適だからです。
1. ウェルシュ菌は人や動物の腸管、土や水の中など自然界に幅広く生息しています。
カレーに使う牛肉や鶏肉などの食肉にもちろん存在しています。
2. 普通の菌なら、高熱にすれば、死滅できるのですが、ウェルシュ菌は高温の環境でも死滅しないよう、芽胞(がほう)という体を守る構造になることができます。
一旦この芽胞を作ってしまうと、100℃の高温にも耐えることができます。
それで、100℃でいくら長時間加熱してカレーを作ったと言っても、しっかり生き残っているわけです。
3. ウェルシュ菌は酸素が無いところでよく増殖しやすい嫌気性菌です。
カレーを大きな鍋で作って保存した時には、鍋の底の方には、酸素が少なく、室温に置いておくと、冷え切らなく、
45℃前後の分で、急激に増殖しやすくなります。このため、給食病ともいわれるそうです。
4. ウェルシュ菌は調理後、室温に置くと部分的に到達しやすい43〜47℃急激に増えます。
こうしてみると、大量のカレーを作って、夕食に食べても、残りはなかなか冷えず、鍋ごと冷蔵庫に入れるわけにもゆかないので、室温で保温して翌朝食べることになります。
つまりウェルシュ菌を増殖させるのに、ぴったりの条件になっていることが分かります。
いくら寒い冬の台所と言っても、鍋に入った大量のカレーが一瞬で冷えるはずもないので、鍋の底には、部分的に増殖に最適な場所が存在してもおかしくありません。
つまり、冬であっても、カレーを室温で作り置きして、食べるというのは非常に危険だということが分かります。
カレーの冷蔵、冷凍での保存方法
では、どうしても保存したいときはどうすれば良いでしょうか?
ウェルシュ菌食中毒は、菌が1g当たり10万個以上増殖した食品を食べることで発生すると言われています。
ウェルシュ菌を「死滅させる」はほとんど不可能ですので、この値まで、「菌を増やさない」ことが対策の基本となります。
ではカレーを保存し、食するときの具体的に最適な方法を見てみましょう。
① 保管する時は、小分けに。移す容器を熱湯で消毒するか、食品用アルコールで消毒して、
熱いうちに移す。急速に冷やし、冷えたら、冷蔵庫か冷凍庫へ。冷蔵したら、翌日には食べきってください。
② 翌日食べる時、解凍して後日食べる時、ぐつぐつなるまで加熱してから食べましょう。
これが一般的に食品衛生責任者が言うことです。
カレーで食中毒へのネットの反応
出典:ヤフコメ
カレーの室温作り置きは危ないという話はだいぶ常識として広まってきているようですね。
まとめ
カレーの作り置きは冬ならどれくらいまで大丈夫と、油断禁物の理由をまとめました。
正月は病院も休みです。作ったら、できるだけ完食して、残った場合は、上記の方法できちっと冷蔵、冷凍し、しっかり、管理してから頂きましょう。
正月早々のトイレ通いの悲劇など是非避けたいものです。
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