全米、全豪とグランドスラムを連続して制し、女子テニス世界ランキング1位となった大坂なおみの活躍で、日本中が沸き立っています。
アメリカ在住で、日本語を話すのもたどたどしい二重国籍の彼女が、テニス界で、なぜアメリカ人を選ばなかったのでしょうか?
目次
大坂なおみがアメリカ人を選ばなかった理由
大坂なおみがアメリカ人を選ばなかった理由を見てゆきましょう。
大坂なおみは、1997年10月16日大阪で、ハイチ系アメリカ人の父フランソワさんと北海道根室市出身の母環さんの間に生まれました。
大阪市内に住んでいた頃は、練習場は近所の靭公園にあるテニスコートであったといいます。
【女子テニス 大坂なおみ アジア初の世界ランキング1位に】
女子テニスの最新の世界ランキングが発表され、四大大会の全豪オープンで優勝した大坂なおみ選手が、男女を通じてアジアで初めてシングルスの1位になりました。https://t.co/HgS0BRpszS— 特務機関NERV (@UN_NERV) 2019年1月27日
2001年4歳のときに姉を含む一家でアメリカ合衆国へ移住しました。
ニューヨーク州ロングアイランドのエルモントに6年間住み、そのころ父親にテニスの手ほどきを受け、
ナショナル・テニス・センターなどで毎日6時間近く練習したのが、テニスの才能を発揮させるきっかけであったと言われます(Wikipedia参照)。
英語が流暢で、日本語は聞き取ることはできますが、インタビューなどで、大分形になってきたものの、話すのはまだ十分ではなく、容貌も母親より米国人の父親似です。
このような大坂なおみ選手がなぜ、テニスの世界でアメリカを選ばず、日本国籍を選んだのでしょうか?
大坂なおみは現在日米二重国籍で、日本は二重国籍を認めていません。
22歳に達する前までに「国籍選択届」を日本の市区町村役場や外国の日本大使館・領事館に提出することが定められています。
「期限までに選択をしない場合には,日本の国籍を失うことがありますので,注意してください」とあります。
すなわち、22歳の誕生日今年の10月16日までに、この選択宣言をする必要があり、しかも、規定では該外国国籍の離脱に努めなければなりません(国籍法16条第1項)とあります。
なお、大坂なおみは今年2月9日(土)に北九州市立総合体育館で開幕される『フェドカップ by BNPパリバ 2019』のスペイン戦に挑む代表(4名)のひとりに選出されており、
正式メンバーとして大会10日前に発表されれば、以下のオリンピック憲章により、米国代表で東京オリンピックを戦うことはできなくなることが正式に決まります。
オリンピック憲章:1度、1カ国を代表した選手は、3年が経過しないと他国の代表になれない。
では次に、テニス界で、なぜアメリカ人を選ばなかった理由を見てゆきましょう。
3つの理由とは?
大坂なおみが2016年高速サーブを武器に、全豪で予選を勝ち上がり本戦で3回戦に進むまでは、米国テニス協会のジュニア大会に出場していたものの、実績は少なく、地味な存在でした。
2008年からのヨネックスの援助
米フロリダ州在住の大坂の母から、『(娘を)さらに強くしたいので(ラケットなど用具の)サポートしてください』との丁寧な手紙がヨネックスの米山社長(当時)のもとに届きました。
同社もちょうど、バドミントンだけでなく、将来の業績向上のためテニスでも世界のトップになろうとジュニア育成重視に取り組もうとしていたタイミングだったと言います。
「とんでもなく素質があってすごい選手と判断したから、サポートすることになりました。」と、ヨネックスはラケットだけでなく、ウエア、シューズを提供するスポンサー契約を結びました。
2013年からの日本テニス協会のサポート
2013年9月の東レ・パンパシフィック大会で、日本テニス協会の女子代表コーチだった吉川真司氏(40)が、当時15歳の大坂なおみの才能に注目し、
協会幹部と相談のうえ、味の素NTCで練習できるように取りはからうなど、大会ごとに、コンタクトを取りながら地道な支援を続けてきました。
大坂なおみの日本に対する気持ち
これが一番大きな理由と思われます。
大坂なおみはインタビューなどで、「日本食を美味しいと思う時、自分は日本人だと感じる」、「心は日本人に近い。夢は東京五輪出場。男子は錦織選手、女子は私が引っ張っていけたらいい」
「母の母国である日本の日の丸を背負って、しかも自分の母国で開催されるオリンピックに出たい!」と答えています。
食事は毎日、和食で、好きな食べ物もウナギや寿司、音楽もJ-POPや日本のアニメが大好きだということですので、日本人以上に日本を愛しているのでしょう。
2016年のリオオリンピック前から、大坂は「日本代表として東京オリンピックでプレーしてメダルを取るのが夢」と話していました。
以前は、オリンピック出場のためには。有力な女子テニスプレヤーがひしめき合うアメリカより、日本のほうが有利という理由もありましたが、
全米、全豪を制した今では、アメリカ代表としてオリンピック出場も可能という状況に変わりましたので、これは理由になりません。
父フランソワさんも、無名の時から娘を支援し続けた日本の恩義を尊重したとおっしゃっているそうです。
大坂なおみが日本を選択したことへのネットの反応
多分、途中からはアメリカの条件の方が上回っていたのでは?そうなればそちらに乗り換えるという話はよくある事。そうしなかったご両親に育てられたから、今なおみちゃんがみんなから愛されるような人になってる気がする。
日本語があまり話せないからとか、肌の色がどうだとかで日本人と認めないなどと言っている人こそ日本人を辞めてもらいたい。
日本に登録してくれて有難うございます。
もちろん、彼女が日本国籍を選んでくれたら嬉しいですが、普通に考えたら、米国籍を放棄する理由はないですよね。
どちらにしても、個人的には嬉しいですが、日本と縁があったのでしょう。これからは益々いろんな人達の思惑に巻き込まれるでしょうが、純粋にテニスで頑張れるように周りが守ってあげて欲しいものです。
仮に将来、色々な事情で米国籍となっても応援したいです。
日本的な心を持っておられたんですね
心が大切と感じる記事で良かったです
そのくらい彼女の人柄は素敵だし、パワフルなプレースタイルと、試合が終わった後のシャイなふるまいのギャップがとても可愛らしい。
これからは追われる立場。プレッシャーも大変でしょうが、せいいっぱい、自分のプレーをがんばってください。昨日の試合、2セット目後半はハラハラしたけど、3セット目の立て直しは見事でした。
無名の時最初に支援したヨネックスや吉川さんとか色々な助けもあったのが救い。
ハイチに行き子供たちにラケットを贈ったりしてる映像を見たが、日本と米国とハイチの三つの文化にルーツを持ち、(良い意味で、)したたかに自由に生きていけばいい。
大阪なおみ流の素直で自由な道を…彼女の未来は明るい。
出典:ヤフコメ
日本人的だからという応援の声も多いようですが、むしろ彼女の優れた個性が見る人の心を打って、ここまで、日本中を湧き立たせるのでしょう。
アメリカ選手であっても応援したよという声が印象的でした。
まとめ
大坂なおみがアメリカ人を選ばなかった理由を3つにまとめました。
おそらく、日本の国籍を10月までに選択したとしても、在住する米国国籍を放棄することはしないでしょうから、将来米国代表となる可能性が全く、ないとは言えません。
そんなことのないように、これからあるかもしれないスランプの時でも、ファンも一層、暖かく応援を続けたいと思います。
大坂なおみの活躍をきっかけとして、ともすれば、ハーフと言われて、差別を感じる人もいる日本の社会が、多様性を認める大きなうねりとなって変化すれば、素晴らしいことのように思えます。
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