ニュース

極ZERO課税裁判でサッポロ敗訴!なぜ「第3のビールに該当せず」?

サッポロビールが販売した「極ZERO」が、「第3のビール」に該当するかで国税庁と争われた裁判で、第3のビールには「該当しない」との東京地裁判決が出て、
自主納付した酒税約115億円の返還を求めたサッポロ側は敗訴しました。なぜでしょう。

極ZERO課税裁判でサッポロ敗訴はなぜ?

極ZERO課税裁判で「第3のビールに該当せず」とサッポロが敗訴した理由を見てゆきます。

判決理由は「製品の製造工程、過程で採取された各種データなどを検討した結果、製品は『その他の発泡性種類』(第3のビール)に該当しないものと判断した」とのことですが、
サッポロ側が「営業秘密に該当する内容が含まれている」として記録の閲覧制限を申し立てているとのことで、第三者には詳細な内容は不明です。

これまでのこの事件の経緯をまとめ、さらに発表されている情報から「該当せず」の理由を推測しました。

事件の経緯

2013年6月 サッポロが、「サッポロ 極ZERO」を健康志向をうたった第3のビールとして発売し、大ヒットした。
2014年1月 国税当局が、第3のビールに該当しない可能性がある(この場合発泡性酒類の基本税率となり、ビールと同じ税率になる)として製法の照会要請をしたため、サッポロは販売をいったん中止した。
その後、サッポロは第3のビールに該当しなかった場合の酒税の差額約115億円と、延滞税約1億2千万円を自主納付した。
2014年7月 麦芽使用率25%未満の発泡酒として極ゼロを再発売した。
社内調査で第3のビールに該当すると結論付け、国税当局や国税不服審判所に返還を求めたが、退けられる。
2018年4月 納付税の返還を認めないとした処分の取り消しを求め、提訴
2019年2月 東京地裁で、「第3のビールに該当せず」と敗訴

国税庁とビールメーカーの税制をめぐる攻防

1994年10月 サントリー発泡酒「ホップス」(麦芽率を65%に、低価格(350ml缶、希望小売価格180円、税別)発売
1995年5月 サッポロビー「ドラフティー」(麦芽比率25%未満 350ml缶、希望小売価格160円、税別)
1996年秋 酒税を改訂、麦芽率50%以上の発泡酒の税率をビールと同じとした。
2003年4月ビール類(ビール・発泡酒)市場シェアで発泡酒は48.2%と過去最高を記録。し、5月1日から酒税法が改正され発泡酒は増税され
2003年5月 発泡酒は増税され10円値上げ
2004年2月 サッポロビールが第三のビール「ドラフトワン」を商品化(麦芽以外の原料)
2006年5月 国税庁は「第三のビール」改正酒税法を施行し、350ml缶で3.8円の増税
2017年の税制改正により、2026年に、発泡酒、第三のビールもすべてビールに分類されることになった。

「その他の発泡性酒類」のうち「特別税率」が適用される第三のビールは、次のものに限ります。
(1) 糖類、ホップ、水及び大豆たんぱく等(政令で定める物品)を原料として発酵させたも
の(エキス分が2度以上のもの)
(2) 発泡酒(政令で定めるもの)にスピリッツ(政令で定めるもの)を加えたもの(エキス
分が2度以上のもの)

2013年6月「サッポロ 極ZERO」発売時のサッポロの発表によりますと、約4年の歳月をかけて開発した出願中の特許技術、新製法【ゴクZERO製法】を用いているとなっています。
原材料は以下となっており、発泡酒にスピリッツ(大麦)を加えたことで、(2)の要件を満足しているとしたものと思われます。

発泡酒(麦芽・ホップ・大麦・苦味料・カラメル色素・スピリッツ・水溶性食物繊維・香料・酸味料・酸化防止剤(ビタミンC)・安定剤(アルギン酸エステル)・甘味料(アセスルファムK))・スピリッツ(大麦)

ただし、(2)には発泡酒であること、エキス分が2度以上などの要件がありますので、いずれかが争点になった可能性があります。

地裁は「製品の製造工程、過程で採取された各種データなどを検討した結果、製品は『その他の発泡性種類』(第3のビール)に該当しないものと判断したとのことですので、
サッポロの言う新製法「麦芽・大麦・ホップとプリン体フリー原料を組み合わせ、工程の途中でプリン体を取り除くことなく「プリン体0.00」「糖質0(ゼロ)」を達成した」が、
例えば、発泡酒の要件に入っていない(例えば発酵が不十分など)と判断された可能性があります。

発売前にサッポロが出願したプリン体フリーをうたったビールテイスト飲料の特許で、権利化された製造法に関するものには以下があります。

特許5514339(出願日2013.2.28)
【請求項6】
請求項1に記載のビールテイスト飲料を製造するビールテイスト飲料の製造方法であって、
その製造工程中のいずれかの段階で、最終製品中の麦由来のエキス分が0.40g/100cm3以下となるように麦由来原料を含有させ、水溶性食物繊維を含有させ、最終製品中の含有量が0.25~1ppmとなるようにネオテームを含有させるか、12~16ppmとなるようにアセスルファムカリウムを含有させるか、又は5~12ppmとなるようにスクラロースを含有させるとともに、アルコールを添加してアルコール度数が1~8%となるように調整する
ことを特徴とするビールテイスト飲料の製造方法。

特許5525632(出願日2013.2.28)
【請求項8】
請求項1に記載のビールテイスト飲料を製造するビールテイスト飲料の製造方法であって、
その製造工程中のいずれかの段階で、
最終製品中の麦由来のエキス分が0g/100cm3を超え0.4g/100cm3以下となるように麦由来原料を含有させ、
水溶性食物繊維を含有させ、
最終製品中の含有量がクエン酸換算で325~805.7ppmとなるように酸味物質を含有させる
ことを特徴とするビールテイスト飲料の製造方法。

これらが、当初の極ZEROに関するかどうかは不明ですが、その後しっかり権利化して特許にしていますので、重要な特許だったと推測されます。
かなり力を入れて、ビールテイスト飲料の製造方法を研究開発していたことが分かります。

極ZERO判決へのネットの反応

メーカーが頑張ってもビール並み課税するほうがおかしい
そもそもビール系飲料が麦芽使用率とかで区分されるのはおかしい。
ビール系飲料の税率が統一されればこのような問題はおきない。
この税制はやめるべきだと思います。
払った税金を戻すような判決は出さないわなぁ・・・
企業努力を無にする判定。
実に残念。
後付けでいろいろ分類増やすからこういうの起こるんだよな。
類似も含めて「ビール」一種類の固定税率でいいじゃん。
第3のビールに該当しない理由が記事にない。
税金返すのがいやで根回し必死やったんだろう胡散臭い判決。真面目に処理したサッポロビールがかわいそう。そもそも課税の仕方にグレーゾーンが多すぎる。
サッポロビールは第3のビールや発泡酒を造らないで赤星と黒ラベルだけで勝負できるんじゃない?今夜もみんなで赤星を飲もう!
ビールとか発泡酒とか第3のビールとか、面倒なので酒税統一してほしい。
あとサッポロは発泡酒だといったん認めて発泡酒分の酒税納めて分類自分から変えて販売してるんだから、あとから「やっぱり返して」っていうのはおかしいよ。

出典:ヤフコメ

国税庁への風当たりが強いですが、2017年税制改正で、2026年に、発泡酒、第三のビールもすべてビールに分類されることになったことで、今後この種の争いや日本特有の開発競争などはなくなるのかもしれません。

まとめ

ZERO課税裁判でサッポロ敗訴がなぜかを推測しました。
判例速報等では検索されず、詳細な内容は不明でしたので、これまでの経緯状況から推察してみました。

これまでの複雑な税制のために、日本のビールを含めた発泡酒類の開発が世界から見れば、
とんでもない方向に行っていたのではとの指摘もあります。

今後の税制改正により、ビール業界はどのよな方向に進んで行くのでしょうか?注目されます。

関連記事

  1. 一般参賀(5月4日)の参加方法を分かりやすく解説!誰でも行けるが混雑を…

  2. ドルチェ&ガッバーナのCM動画と炎上理由と経緯!1日で全てがひっくり返…

  3. ZOZO離れはなぜ起きてる? 撤退企業一覧とその深刻さ

  4. 渋沢栄一と韓国の関係に炎上気味!海外の反応は?

  5. 関東の春一番の条件とは?観測史上最早が吹く?

  6. セブンイレブンオーナーの実態が悲惨すぎ!辞めたいのに辞められない理由と…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


人気記事

注意書き

・記事内キャラクター・アイキャッチ画像・および画像は以下商用フリー画像サイトのものを規約に基づき使用させていただいております。キャラクターにおいては加工しております。
■王国興亡記 管理人:そーいち様
https://ameblo.jp/makapri
■pixabay
https://pixabay.com/

PAGE TOP